近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

茶事の設え

作成者: 松本 友香里|2021年12月9日

こんにちは。

近江庭園の事務所前のドウダンツツジがやっと紅葉してきました。ここは日照がなく、常に常緑樹に囲まれている場所です。なので真っ赤に紅葉はしないのですが、この薄暗い場所に黄色い葉があると光が差したようにその周りが明るく見えとても雰囲気が良く感じます。

 

茶事の前の露地

先日大きなマキを移植したこちらの露地をさらに整えていきます。まずは傷んだ苔をはりかえていく作業です。苔をはりかえると一気に空間が”露地”になりますね。

ここは間口の狭く奥に長い敷地で、四方を建物に囲まれた中に露地があります。風通しや日照は限られた条件ですが、そんな中でもなんとか苔を生かしていく方法を常に考えている場所でもあります。青々とした苔が覗く露地は美しく、はりかえた苔を守っていくためにこれからも試行錯誤していく予定です。

他にも敷松葉の準備や雨樋用の青竹など、露地の設えを準備していきます。

敷松葉にお湯をかけている光景を見ると冬だなあ、としみじみ感じます。アカマツの葉から湯気が立ち上り木の香りがぶわっとしてくるのが私の中で毎年の冬の風物詩です。

今年も残りわずかですので、綺麗な空間で新年を迎えられるように今年の仕事をきれいに仕上げていきましょう!