近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

雨の近江庭園

作成者: 松本 友香里|2021年7月11日

こんにちは。

梅雨の終わりごろに吹く暖かい風のことを「白南風(しらはえ)」といいます。反対に梅雨のはじまりの頃の風は「黒南風(くろはえ)」といい、白と黒で対照的な印象がありますよね。梅雨が始まりどんよりとしていく気持ちを表すような黒と、夏に向かって気持ちも空も明るくなっていくような白。昔の人のこういった豊かな感性は時にハッとさせられます。日々季節を感じながら余裕をもって過ごしていきたいですね。

 

中庭の雨景

近江庭園の中庭は雨が降っていると流れが現れます。水が自然に排水されるまでの間、中庭が全く別の風景になるのです。近江庭園にずっと前からいるカエルもこのお庭の風景をずっと見守っているのです。

私の大好きな本のひとつである「園芸家12か月」(カレルチャペック著)の中で、「雨は風にそよぎつつ万物を洗い清める水のヴェール、どんな太陽の奇跡も、恵みの雨の奇跡にはおよばない」という一節があります。

こうも雨が多いとその有難さを忘れてしまうのですが、本来雨は恵みを与えてくれるものです。気を付けないと植物たちは根腐れしてしまうので土や水の管理は十分注意が必要な梅雨ですが、雨の大切さは夏にならないとわからないものですね。

雨続きで塞ぐような気持ちの方もいるかと思いますが、雨がずっと降り続けることはありません。この季節を楽しみながら残り僅かな梅雨を過ごしていけたらと思います。