近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

駅前の静かな森

作成者: 松本 友香里|2021年5月13日

こんにちは。

今週は天気がぐずつく日が多く、寒暖差が大きいので職人たちは体調管理には苦労します。植物は今の時期に水を沢山必要とするので雨は潤いを得るために重要なのですが、人間にとっては体調が優れないような原因にもなってしまいますから、天気や季節と付き合っていくのも大変ですよね。体調を崩しやすい季節ですので、皆様もお気をつけくださいね。

 

京都駅前の静かな空間

先日、とあるホテルのお庭のメンテナンスに行ってきました。竣工してから私はお伺いしていなかったので、どんな風にお庭が変化しているのか気にかけており、やっと見に行くことができました。

私以外のスタッフが定期的にメンテナンスを行っていましたので、空間がとても綺麗に保たれていました。竣工当時よりも緑が濃い印象で、その空間の中にきちんと馴染んでいるようです。

京都駅の大きな道路の前とは思えないほど静かな空間です。ホテルの敷地に一歩足を踏み込むとカサカサと葉が揺れる音と水の流れる音が聞こえます。ホテルに訪れたお客様も、お庭を見て癒されたと言ってくださる方が多いと聞き、私たちのつくりたかった空間が形になっていると実感しました。

ホテルがお庭を囲むようにぐるりと建っているのですが、窓がずっと続いていますのでお庭が360度見渡せます。いろんな角度からお庭を見てお気に入りの角度を見つけてくださったり、ひっそりと咲いている花を見つける喜びを感じて頂いたり、沢山の感情を与えられる空間であると感じます。

竣工から2年ほど経っていますが、植物たちは健やかな状態のものがほとんどで、春の新緑が美しいです。ここを訪れた方がどんな季節に来ても綺麗だと思える状態で保てるように、これからもしっかりとメンテナンスをしていきたいと思います。