2019/08/28

お庭づくりで感動を伝える。

8月も最終週を迎え、朝夕はとても過ごしやすくなってきました。

松本の記事にもあったように、夏と秋の空気が混ざりあう、今の季節を「処暑 しょしょ」と言います。

処暑

処暑という言葉には、暑さが止むという意味があります。

今年の夏も例年と変わらず、日差しもきつく、非常に気温も高い夏でした。そして、この時期はまだ蒸し返す残暑が続きますが、そんな中でも秋の風が涼しげに吹き流れる時があります。空を見上げてみると、夏の雲と秋の雲が同じ空に入り混じっています。このような空を「行き合いの空」と読んだりするとか。

暑い時間と涼しい時間との気温の変化が激しい時期でもありますので、体調管理は気をつけて行かねばなりません。

 

初候:綿柎開 わたのはなしべひらく 8月23日〜27日頃

次候:天地始粛 てんちはじめてさむし 8月28日〜9月1日頃

末候:禾乃登 こくものすなわちみのる 9月2日〜9月7日頃

 

技能五輪国際大会(ロシア)

過去の記事で今、ロシア カザンというところで、World Skills という世界大会が開催され、弊社から日本代表として参加させていただくことはお伝えしていました。

選手の2人は毎日毎日、仕事から離れて、日本代表としての役割を果たし、少しでもよい結果を残すべく、練習を重ねてきました。その世界大会が今月22日から4日間行われ、昨日27日13時(現地時間)に無事終了いたしました。

このWorldSkillsという大会、日本語で 技能五輪国際大会 と呼ばれており、わかりやすくお伝えすると、若い職人たちの技術・体力・経験を競いあう、職人たちのオリンピックです。その種目は様々です、機械系、建築系、美容系、コンピューター系、約50種目ほどあります。

 

スポーツのオリンピックと違う点として

・2年に一度開催されること

・出場できる選手の年齢制限があること(22歳まで)

・課題が事前に公表されず、開始15分前に図面を判読するところから始まる

・完成させるだけでなく、1日目、2日目、3日目が終わるまでにそれぞれの途中目標がある(これを時間通りに間に合わせるのが大変。。)

などです。

競技内容としては種目により様々なのですが、造園の場合は、4日間(今回21時間)で設計者(今回オランダ)が書いた図面に基づき、用意された材料・道具を使用し、作品を作り、その作品を、寸法、仕上がり、見た目、表現力(特に植物の植え方)などが採点されます。

 

ものづくりという意味では、多くの方が日本は強いのではと思われると思うのですが、この国際大会でメダルを取るのは至難の技です。というのも、22歳までの年齢制限があることが、日本の場合、結果に繋げられないということがあります。これは選手の能力が低いというこではなく、経験が少ないためです。

ヨーロッパでは、職人のマイスター制度というのがあり、このマイスターを取るために、日本でいう高校に入る時に自分たちの進路を決定します。このマイスターを取ることができると、その仕事で生活をすることが保証されているといっても過言ではありません。

それにくらべ日本の場合、高校を入る時点で将来何になるかということを決める学生は少なく、私たちの造園においても同じです。今回参加させていただいた選手2人も同様です。

そんな中、昨年の今回の国際大会の予選を兼ね、沖縄にて行われた技能五輪大会が終わってから、今回の国際大会まで、様々な方のサポートをいただきながら、練習を重ねてきました。

 

ロシア大会への道、スタート

ロシア大会への道、練習の毎日

ロシア大会への道、彩りを操る

夏も終わり

技能五輪、練習風景

 

心が動くとき

今回のWorld Skillsに参加する選手2人を中心に様々な人との応援を通じて改めて感じたことがあります。

お庭づくりを通して、人々の心を動かすことができたら、本当に素晴らしいなと。

 

私たちがお庭づくりのご依頼をいただくとき、様々なお客様がいらっしゃいます。ご自身のご自宅のお庭づくり、旅館のお庭づくり、ホテルのお庭づくり、レストランのお庭づくり、お茶室のお庭づくりなど様々なですが、もちろんお客様は自分たちが希望するモノとしてのお庭を期待されておられます。

 

私たちが目指すお庭づくりは、デザイン的にかっこいいとか、機能的にすごいとか、技術力が高いなどももちろん重要なのですが、一番大事にしているのは、思いを込められるかどうかです。

 

先日もある取材の中で話をしていて、職人一人一人の思いが込められるかどうかが、いいものづくりに繋がるという話になりました。

 

私たちの庭づくりにおいて、様々な工程があります。その工程の中でお客様が期待するモノ以上のお庭をお届けできるように、思いを込めて仕事ができる会社、人の集団でありたいなと感じました。

 

私もそうですが年齢を重ねると、感動する、心を動かすということが少なくなります。

少なくなるという表現よりも、目の前の小さなことに見慣れて、感動をするということを忘れてしまう感じでしょうか。

これからも様々な庭づくりのご依頼をいただく中で、お客様の思いと、作り手の思いを大切にしながら、一人でも多くの心を動かすことのできるお庭づくりができるよう、頑張ります。

 

最後に、ロシアから送られてきた完成の瞬間をお届けします。

競技の結果については、28日夜(現地時間)の閉会式にて発表されますが、今回様々な方のサポートを得て、制限時間内で自分たちの力を出し尽くし、お庭を完成できたことが、2人にとって何事にも変えがたい経験になったことが、メダルの色よりも価値のあることだと思います。

 

撮影者:通訳 舎川春佳さん

投稿者: 寺下 真司