この寒さ、もう冬に突入したといってもいいくらいですが、まだ秋は終わっていなかったようです。
それは何故かというと、先日知り合いに大量の銀杏の実を頂いたからです。
皆さん知っての通り銀杏の実はイチョウの種子であります。
銀杏といえば、とても臭い。
あの臭いもあって私は今までの人生、銀杏を避けてきました。
食べる所は殻の中であって臭くないとは知りつつも、なかなか手出しできなかったのです。
ですが今回、私は覚悟を決めました。
わざわざあの臭い実を拾って、洗って、袋詰めしてくれた人の気持ちを踏みにじるわけにはいきません。
なんとしてでも食べなくては・・・!
というわけで、銀杏クッキングならぬ銀杏奮闘記スタートです。
まず、袋を開けて臭いを確認・・・。
うわっ!やっぱり臭いです。
いくら臭いの元凶である外側の果肉が取り除かれていても、この白い殻に臭いがシミついています。
これ、殻の中まで浸み込んでるんじゃ・・・。
そんな今世紀最悪の予感が脳裏をよぎりつつも、四の五の言ってはいられません。
教えてもらったレシピ通り、まずは殻にひびを入れていきます。
食べすぎるとあまり体によくないと聞いたので、10個程にしておきました。
おりゃっバキッ!おりゃっバキッ!とリズミカルに割っていきます。
臭いは食らうにしても確実に本体にダメージを与えている・・・これぞ肉を切らせて骨を断つということだ!
とは豪語しつつも冷静に考えると相手はタネなので、一方的に臭いダメージが蓄積されていってるのは私な訳で、これが負け戦だと気づいた頃には時すでに遅し。
ですが勝負はまだここからです。
次はこのひびが入った銀杏を、紙袋に入れて電子レンジで熱します。
さあ、爆ぜろ!2、3個ポンポンと弾けたらそれが合図。
取りだしてみると殻が割れて実がむき出しに。
綺麗に中身を取りだしたら、できあがりです!
まずびっくりしたのはその見た目。
半透明な黄緑色をしています。あの臭いからは想像もつきません。
ん?そういえば臭いはどうなったのだろう。恐る恐る嗅いでみると全然しません。なんとも香ばしい匂いがしてきます。
殻の中までは浸み込んできてはいなかったようです。
これで脳裏に浮かんだ最大の不安は拭い去り、後は味のみ。
果たして本当においしいのでしょうか。
ぱくっ。ん?なんというか独特な味です。でも、香ばしくておいしい!これは癖になりそうな予感。
銀杏が世間で持てはやされている理由が今わかりました。
きっと食わず嫌いをしている方が多いと思いますが、勇気を出して一歩踏み出してみてください。
味覚の世界の新境地が開けること間違いなしです。
虎穴に入らずんば虎子を得ず。臭いの壁を越えた先にこそ、真の魅力に出会えるのです。
以上、銀杏奮闘記でした。
記事・・・飛田亮