近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

きめ細やかな手仕事を

作成者: 松本 友香里|2020年4月12日

こんにちは。

芍薬の蕾が膨らんできました。芍薬や牡丹のように豪華な花があると自然と心まで華やぎますよね。また芍薬の香りは個人的にとても好きな香りのひとつで、ハンドクリームはずっとピオニーの香りのものを使っていたのですが廃版となってしまいました…(どうでも良いですね笑)

とにかく、芍薬や牡丹の花が準備を始めています、本格的に暖かくなってきたようです。

 

あられこぼしの技を

前回のブログの中でご紹介させて頂いたこちらのお庭にはあられこぼしの技法が再び使われています。

こちらは400×400のタイル状にしたあられこぼしの意匠です。こちらを園路の一部に使用していきます。

板石の間の空間がお分かりになるかと思います。こちらに写真のあられこぼしの意匠を…。

今回のお庭のデザインは普段近江庭園があまりしないようなデザインなのではないかと思っています。もちろん悪い意味ではなく、普段の技を盛り込みつつ新しいデザインにも挑戦しているようなそんなお庭です。

こちらの中庭のデザインも普段と異なり、幾何学的で直線的な要素が取り入れられています。このようなデザインは人工的な雰囲気が前面に出てしまうような気がしていたのですが、こちらのお庭の中においてはこれから樹木や下草を入れいていくことで、植物の柔らかい線と人工的な直線のスマートさがよく合わさっていくのではないかと思います。

こちらにもあられこぼしの技法が使われています。自然の素材を使っているので、人工的な感じが中和されているのかもしれません。

こうしたきめ細やかな手仕事の先に、調和した良い空間というものが現れるのだと思います。どんな小さな作業にも意味があります。お庭づくりの仕事はほとんどが小さな作業の積み重ねです。どんなこともコツコツとこなしていくことで、大きな空間、良い空間が出来上がっていくのですね。

気軽に外出できなくて、ご自宅で過ごされている方が多い中、少しでも自然のものに触れられるひとつの手段としてこのブログでお庭を楽しんで頂けたら幸いです。

これからも体調管理や感染予防に万全を期してお庭造りに臨んでいきたいと思いますので、何卒よろしくお願い致します。