2018/12/14

本州のはしっこまで

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こんにちは。

季節は師走になり、私たち近江庭園一同も方々に出向き大忙しの毎日です。

いつの間にか蝋梅の蕾も膨らみはじめ、既に植物たちは初春に向けて準備をしているのだと思うと、バタバタしているうちに季節があっという間に過ぎてしまい季節を感じる余裕が無いのが惜しく思いますね。

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今週の月曜日、私は遠路遙々本州の端っこの山口県までお手入れに行きました。

それがこちらの立派な門構えのお宅、実はこちらのお宅のお庭は近江庭園が作庭したお庭なのです。

滋賀県から山口県へ、遠方のお客様ですが、わざわざ近江庭園を選んでくれたとあって、当時作庭に関わった職人たちも気合の入った仕事だったことでしょう。

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こちらのお庭はアカマツが多く配植され、幹の線が面白いものが絶妙な位置にあり、美しい赤色の幹を楽しむことができます。大きな山石や素朴な雪見灯籠も、このお庭に山の景を思わせる造作感のあり過ぎない意匠が凝らされています。

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このお庭を造った当時の先輩職人は、「近年稀な純粋な日本の庭だ」と言っていました。硬質な雰囲気と石や樹木の自然な柔らかさが醸す日本の庭の美しさ。私はこちらのお庭に初めて行かせて頂きましたが、改めて私たちの持つ美意識や自然観を振り返ることが出来ました。

 

今回こちらに来させて頂いて、自分なりに良い発見が沢山ありました。しかし同時に造った後の管理の難しさを感じたことも沢山ありました。苔をどう美しく根付かせていくのか、これは和のお庭を手掛けることの多い私たちには特に課題だと感じます。

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お客様とお庭と、そして私たちと。それぞれが互いに真摯に向き合って、より良い空間づくりのために、私たちは日々課題を見つけ乗り越えていく。そういう仕事をしていこうと強く感じました。

お客様はこのお庭の新緑の時期がとても綺麗だとおっしゃってくださいました。いつか緑が青々しい頃にお伺いしたいものです。

投稿者: 松本 友香里

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