近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

お庭づくりのゴールとは

作成者: 松本 友香里|2020年4月30日

こんにちは。

事務所の山野草コーナーは今の季節、本当に華やかになります。山芍薬のふっくらとしたフォルムは心を穏やかにしてくれますね。過ごしやすく暖かい日が増えて、外で仕事をしている私たちにとっては汗ばむ日があるほどです。

季節はもうすぐ初夏に入ります。どのような夏になるのか、今の状態では想像がつきませんが、健康に元気にお庭仕事をしていけたらと思います。

 

これからがスタート

このブログでずっと追いかけていた工事がまたひとつ完成を迎えようとしています。

厳密にはまだ細かい部分が残っておりますが、苔の入ったお庭は新しい緑で彩られています。

あと少し、苔を植栽し微調整を施す部分もございますが、お庭全体の雰囲気はこちらで完成になります。今までの近江庭園の持ち味を出しつつ、中庭にはあられこぼしを用いた幾何学的なデザインが施され、新たな一面がお見せできたお庭に仕上がったのではないかと思っております。

これが自己満足ではなく、お客様にも「素敵なお庭になった」と思っていただくために、この完成された瞬間が美しいのは勿論、月日が経ってもずっと素敵なお庭を育てていかなければなりません。

変化しないお庭ではなく、変化が美しいお庭を育てていくために、私たちのお庭づくりは今からがスタート地点だと思います。お客様と試行錯誤しながら、何年も愛されるお庭がつくれたら、それほど職人冥利に尽きることはないと思います。

去年のブログの中で、私はお庭づくりは1を10にも100にもできると書きました。その思いは今も変わっておらず、私たちの仕事に際限はなく緑が有る限りお庭はずっと変化し続けられるものだと思います。ゴールを設けず、常に美しいものを目指す職人になっていきたいですね。

こちらの、今回つくらせて頂いたお庭も、これからも私たちが見守っていけたら良いなと思っております。

それではこの完成が新たなスタートと思って、次なるお庭のステージに育てていけるよう邁進していきたいと思います。