2020/10/30

ひとつの材料にもこだわりを持って

こんにちは。

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近江庭園のモミジがだんだんと色づいて参りました。朝の澄んだ空の色と朱色の葉がよく映えます。秋の楽しみといえば紅葉を見ることですよね。これから散っていくまでの間、冬に向かって燃えているようで、紅葉は静かな冬の季節に向かう前の最後の植物の輝きです。

 

能登半島へ赤松を探しに

先日、私は会長と共に石川県の能登半島に行ってまいりました。朝早く滋賀県を出て、石川県で職人をしている方と待ち合わせをします。北陸道をひた走り待ち合わせ場所の尼御前岬へ向かうと、まず日本海の荒々しさに感動しました。その日は波が高く飛沫が風に乗って陸まで届いていたのがすごく印象的な光景でした。

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陸の線で能登半島が広がっているのがわかりますね。海岸沿いを走り目的地の能登半島へ向かいます。

車の中から見える景色は、普段自分が生活している地域とは違いますのでとても興味深く見ていました。海岸沿いの樹木は海風によってすべて斜めに生えており、枝の向きもすべて風になびいているような形になっています。

厳しい環境の中でも地面にしっかりと根を張っている植物の生命力を感じる景色でした。

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打って変わってこちらは能登半島のとある山の中です。待ち合わせをしていた職人の方と共に、この山で赤松や雑木を扱っている方の案内を受け次の現場で使用する赤松を選定していきます。山の中は人間が育てたものとは全く異なる趣の樹木が生まれます。一筋縄ではいかない形をしたひねくれものの樹木ばかりです。

そんなひねくれものの樹木たちを私たちは好んで使用しています。自然の創り出した少し気難しい形は、私たちがつくるお庭の中で一番自然的でパワーが感じられます。その木の造形の良さを殺してしまわないように、私たちはお庭を構成していかなければなりません。

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山を下りたあとは植木屋さんにも連れて行ってもらいました。あえて曲がったように仕立てている赤松です。植木屋さんの強いこだわりを感じます。私たちもこういった材料が使用できるお庭づくりがもっと増えて欲しいと願います。そのためには地道に目の前のお庭づくりを真摯にやり遂げていくことが大切ですよね。

材料をひとつひとつこだわってつくり、私たちはそのこだわりが光るものを選んでよいお庭をつくっていく。そのこだわりが繋がることで、より良いお庭が誕生していくのですね。

今回選んだ赤松が今後どのように使われていくのか、工事が始まったら紹介させて頂こうと思いますので、是非お楽しみにしていてくださいね。

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おまけなのですが、石川県ではこのような石に甲羅のような模様が入っている石をよく見かけました。“じゃみ”(蛇み・漢字がわかりません)という模様だそうで、地域によってこの模様の石が好まれるようです。お庭も地域によって特徴があるのが面白く、違う土地に行った際にはもっと沢山のお庭を見てみようと思いました。

投稿者: 松本 友香里

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