最近の住宅では、減少の傾向にあるといわれる瓦屋根。
あの渋く輝く色と波のような造形。どっしりとした重厚感と高級感。
私は茶室や草庵の茅葺き屋根が好きなのですが、やはり日本建築といえば瓦屋根ではないでしょうか。
そんな瓦屋根ですが、世の中には寺社の建て替えや屋根の葺き替えなどで、使わなくなって放置されている瓦がたくさんあるんです。
使わなくなった廃瓦を粉砕して、ガーデニングの舗装材などに再利用する「瓦チップ」なるものもホームセンターに出回るようになりました。
今回はそんなエコ精神と日本の伝統、そして瓦の新たな可能性を探るべく、瓦を使ったお庭やガーデニングを紹介していきます。
こちらは以前にも紹介したショーガーデンですが、瓦といっても葺き瓦ではなく正方形の敷き瓦が使われています。
このように瓦を使うと「和モダン」な雰囲気を醸し出すこともできます。
彩り溢れる洋風の花壇に少し和のテイストを入れて見たいという方や、純和風のお庭に少し斬新さを加えたいという場合にも瓦は活躍してくれます。
こちらは犬走りや植栽の境界に瓦を用いた例です。
葺き瓦の「桟瓦(さんがわら)」という広く一般的に使われている瓦を2枚ずつ用いています。
波のような形をしているので、並べるとおもしろいデザインになりますね。
この様に花壇や土間の縁取りや、ちょっとした土留めとしても瓦は使えます。
足元だけではなく、瓦は積むことでもその魅力を引き出せます。あの瓦が壁面として立ち上がっているのってとてもおもしろくないですか?
綺麗に積んでいくと、日本伝統文様である「青海波(せいがいは)」のようになります。
レンガと同様土を焼いた固い素材ですが、向こうが透けて見え、明るく軽やかな境界に仕上がります。伝統と新しさが同居する和モダンの垣根です。
他にも桟瓦をずらーっと一直線に地面に並べて園路をつくったり、面白い形をした様々な種類の瓦を組み合わせてオブジェをつくったりと、瓦は使い方次第で色々なものが作れてしまうんです。
少し造園的な内容になってしまいましたが、次回は瓦にちょっとした寄植えを作るなど、もう少しガーデニングに的を絞った瓦の利用法をお教えします。
皆さんのご家庭にも廃材の瓦があれば、もしくは近隣の古民家や寺社に譲ってもらい、ぜひともガーデニングに瓦を取り入れて見てください!
記事・・・飛田亮
山野草の初心者も安心のネットショップ“GardenPorter”(ガーデンポーター)は、9月11日にリニューアルオープンいたしました。
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