今日は、絶滅危惧にある植物について触れてみたいと思います。
今もなお、世界のどこかで絶滅してしまう動植物があるようです。
★マツムラソウ(松村草)
絶滅危惧IA類
学名・・・Titanotrichum oldhamii
草丈・・・15㎝〜70㎝
花期・・・7月〜10月
常緑性の多年草
地上の歴史上では、多くの種が絶滅しています。その中で、最も知られているのが恐竜ですが、恐竜については遠い昔すぎて実感が薄いかもしれません。日本オオカミも絶滅した動物ですが、1905年までは、生息が確認されており、恐竜に比べると、つい最近絶滅したということになります。
植物についても、同じことが起こっており、絶滅の恐れのある種を保護するために、絶滅危惧種として認定して啓発しています。
それには、国際自然保護連合が認定する地球規模のものと、日本の環境省が認定する国規模のものがあります。
絶滅危惧はランク分けせれています。
絶滅 | すでに絶滅したと考えられる種 |
野生絶滅 | 飼育・栽培下でのみ存続している種 |
絶滅危惧IA類 | 10年後(または3世代)の絶滅確率が50%以上 |
絶滅危惧IB類 | 20年後(または5世代)の絶滅確率が20%以上 |
絶滅危惧II類 | 絶滅危惧II類 - 100年後の絶滅確率が10%以上 |
準絶滅危惧 | 準絶滅危惧 - 100年後の絶滅確率が0.1%以上 |
上記の種については、絶滅のおそれのある野生の動植物を 将来にわたって残していくために、一人一人が「むやみに捕らない」意識を持とう ! ということです。
法的規制のあるもの
- 国内希少野生動植物種
我が国に生息・生育する絶滅のおそれのある野生動植物の種であって、政令で定めるもの。捕獲・採取、譲渡し等が原則禁止となる。
- 特定国内希少野生動植物種
国内希少野生動植物種のうち、商業的に個体の繁殖をさせることができる等、一定の条件を満たすもの。
植物では、32種、うち7種が特定国内希少野生動植物種
*植物(26種、うち特定国内希少種7種) | |||||
科 名 | 種 名 | 指定時期 | 保護増殖事業計画 | 特定国内希少野生動植物種 | |
和 名 | 学 名 | ||||
ちゃせんしだ科 | ヒメタニワタリ | ヒュメナスプレニウム・カルディオフュルルム | H20. 7.25 政令第238号 (H20. 8.15施行) |
○ | |
きく科 | コヘラナレン | クレピディアストルム・グランディコルルム | 〃 | ○ | |
おしだ科 | アマミデンダ | ポリュスティクム・オバイ | H11.11.25 政令第380号 (H12. 1. 4施行) |
○ | |
つつじ科 | ムニンツツジ | ロドデンドロン・ボニネンセ | H16. 7. 2 政令第222号 (H16. 7.15施行) |
○ | |
ウラジロヒカゲツツジ | ロドデンドロン・ケイスケイ変種ヒュポグラウクム | H24. 4.20 政令第134号 (H24. 5. 1施行) |
|||
ヤドリコケモモ | ヴァキニウム・アマミアヌム | H11.11.25 政令第380号 (H12. 1. 4施行) |
|||
しそ科 | シマカコソウ | アユガ・ボニンスィマエ | H20. 7.25 政令第238号 (H20. 8.15施行) |
○ | |
のぼたん科 | ムニンノボタン | メラストマ・テトラメルム | H16. 7. 2 政令第222号(H16. 7.15施行) | ○ | |
すいれん科 | シモツケコウホネ | ヌファル・スブメルサ | H24. 4.20 政令第134号 (H24. 5. 1施行) |
||
らん科 | アサヒエビネ | カランテ・ハトリイ | H16. 7. 2 政令第222号(H16. 7.15施行) | ○ | |
ホシツルラン | カランテ・ホスィイ | 〃 | ○ | ||
チョウセンキバナアツモリソウ | キュプリペディウム・グタトゥム | H14. 8. 7 政令第276号 (H14. 9. 1施行) |
○ | ||
ホテイアツモリ | キュプリペディウム・マクラントゥム 変種ホテイアツモリアヌム |
H 9. 9. 5 政令第276号 (H 9.11. 1施行) |
○ | ||
レブンアツモリソウ | キュプリペディウム・マクラントゥム 変種レブネンセ |
H 6. 1.28 政令第 13号 (H 6. 3. 1施行) |
○ | ○ | |
アツモリソウ | キュプリペディウム・マクラントゥム 変種スペキオスム |
H 9. 9. 5 政令第276号 (H 9.11. 1施行) |
○ | ||
オキナワセッコク | デンドロビウム・オキナウェンセ | H14. 8. 7 政令第276号 (H14. 9. 1施行) |
○ | ||
コゴメキノエラン | リパリス・エルリプティカ | H11.11.25 政令第380号 (H12. 1. 4施行) |
|||
シマホザキラン | マラクスィス・ボニネンスィス | H16. 7. 2 政令第222号(H16. 7.15施行) | ○ | ||
クニガミトンボソウ | プラタンテラ・ソノハライ | H14. 8. 7 政令第276号 (H14. 9. 1施行) |
|||
こしょう科 | タイヨウフウトウカズラ | ピペル・ポステルスィアヌム | H16. 7. 2 政令第222号(H16. 7.15施行) | ○ | |
とべら科 | コバトベラ | ピトスポルム・パルヴィフォリウム | H16. 7. 2 政令第222号(H16. 7.15施行) | ○ | |
はなしのぶ科 | ハナシノブ | ポレモニウム・キウスィアヌム | H 7. 2. 8 政令第 18号 (H 7. 4. 1施行) |
○ | ○ |
さくらそう科 | カッコソウ | プリムラ・キソアナ変種キソアナ | H24. 4.20 政令第134号 (H24. 5. 1施行) |
||
きんぽうげ科 | キタダケソウ | カルリアンテムム・インスィグネ変種ホンドエンセ | H 6. 1.28 政令第 13号 (H 6. 3. 1施行) |
○ | ○ |
はいのき科 | ウチダシクロキ | スュムプロコス・カワカミイ | H20. 7.25 政令第238号 (H20. 8.15施行) |
○ | |
くまつづら科 | ウラジロコムラサキ | カルリカルパ・パルヴィフォリア | H16. 7. 2 政令第222号 (H16. 7.15施行) |
○ |
27)ナガミカズラ
28)ヒメヨウラクヒバ
29)タカオオオスズムシラン
30)イリオモテトンボソウ
31)ミソボシラン
32)リュウキュウキジノオ
上記の32品種については、山で採取してはいけません。売り買いしても譲ってもダメです。
まとめ
絶滅危惧種や準絶滅危惧種の品種の山野草等の植物については、どの品種が危惧されているのかを、まず、知るところから始まるのだと思います。知ることによって、自然の野山の中で見つけた時に、この植物は絶滅危惧されている植物だと、一緒にいる方々に知らせてあげるのも保全の一環だと思います。
関連記事▶秋の七草「オミナエシ」が絶滅危機にあるのをご存じですか? 〜 絶滅危惧にある山野草とどう向き合うか 編 〜 - GardenPorterのブログ
▶山野草のキセワタをはじめとする絶滅危惧種を取り巻く環境 - GardenPorterのブログ