前回の中編に引き続き、滋賀県甲賀市にある大池寺について書いていきます。
↓中編↓
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少々マニアックですが、茶室探索の続きです。
写真ではかなり分かりづらいとは思いますが、この天袋を見てください。
奥の壁に行くに従って、天袋が下がっていっているのが分かりますか?
私も触らないと分からなかったので、恐らく写真では難しいと思います。すみません。
こうした工夫があることで、奥行き感が生まれるという極小の空間ならではのギミックなのです。
本当によく考えて作られています。
次に気になったのがこの結界です。
竹で作られた結界ですが、竹の節がぐにゃぐにゃと波打っていますよね?
これ、「亀甲竹」という孟宗竹の突然変異なんです。
ただの結界にすらこのこだわり様。恐れ入りました。
まだまだ茶室について書きたいことはたくさんありますが、このままでは茶室めぐりになってしまうので、庭に話を戻します!
廊下を歩いていると坪庭がありました。
この石灯籠、てっぺんの宝珠の部分がやたらと長い。あまり見かけない種類です。
それよりも奥に植わっている木にご注目。
赤い実と黄色い実の共演です。
双方とも以前に紹介した「センリョウ」です。赤い実が一般的に知られていますが、黄色い実もあるってご存知でしたか?
「キミノセンリョウ」と呼ばれています。
赤と黄色を一緒に見れて、なんだかラッキーな気分になりました。
ちょっと進むと今度は中庭を見つけました。
これまた「ドウダンツツジ」の刈り込みが特徴的です。
住職さんは刈り込みがとても好きなようですね。
そして最後に本堂にも上がらせてもらいました。
こちらが甲賀三大仏の「釈迦如来坐像」です。
如来はブッダが大悟した後の姿なので、装具を見につけない潔い姿が私は好きです。
というかこの本堂、誰もいません!立ち入り禁止とも書かれていないし、こんな近くまで来て本当にいいのでしょうか。
木魚もこんな近くで見たのは初めてです。
本当に魚の彫刻がしてある・・・美しいです。
あえて言っておきますが、叩いてないですからね?誰もいないからといって決して叩いたりなんかしてませんからね?
さて、ちょっと手首に疲労を感じたところで、本堂の中をぐるっと探検・・・。
するとなにかおもしろいものを見つけました。
抉れた板木と、明らかにそれで叩いたであろう木槌。
何も知らないで来た人はびっくりすると思いますが、実はこれ、禅寺では当たり前の光景なんです。
「生死事大 光陰可惜 無常迅速 時人不待」という禅語が書かれた板木を、なにか行事があるごとに木づちで叩きます。
そのせいでこんな風に抉れていくのです。それにしてもクレーターのようにきれいな丸です。
さて、手首の疲労が限界になったところで今回の庭めぐりはお終いです。
この紅葉シーズン、いろいろな場所を巡ってきたのでまた紹介していきたいと思います。
記事・・・飛田亮
山野草の初心者も安心のネットショップ“GardenPorter”(ガーデンポーター)は、9月11日にリニューアルオープンいたしました。
よろしくお願いいたします。