この前の記事の中で日本庭園の歴史について簡単にまとめました。
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その最後に、「果たしてこれからの庭はどうなるのか?」などと調子に乗って書いてしまったので、その収拾を付けにやって参りました。
ゲリラガーデニングとはなにか?
まず皆さん、ゲリラガーデニングをご存知でしょうか?
街中の枯れ果てて放置された花壇。アスファルトやコンクリートの亀裂。
そういった場所に花を植えたり庭をつくったりする行為をいいます。
もちろん自分が所有している土地ではないので、法律的にはアウト。立派な違法行為です。
しかし社会的には認められ、今では30ヶ国以上で「愛される違法行為」として活動が行われています。ボランティアのようなものですね。
調べてみると、どうやら日本でも活動しているグループがあるようです。
3つのタイプ
ゲリラガーデニングは大きく分けて次の3つのタイプに分類されます。
①街中の花壇や空き地に花や種、野菜を植える
実は日本でも「花ゲリラ」と呼ばれる行為が広まっていて、これに相当します。
②舗装路の亀裂やすき間に小さな庭をつくる
Potholegardenとも呼ばれ、道のすき間にミニチュアな庭をつくります。
庭のそばに小さなイスの模型やワイヤーで作った自転車を置いたりなど、構造物を用い
る場合が多いです。
③その他
苔を使って壁面に絵を描いたり、「植える」という行為に限らず様々な方法があるよ
うです。
ゲリラガーデニングの危険性
世界から愛されるゲリラガーデニングですが、何事にも裏表があるのは世の常。
例えば強健な外来植物を植えてしまった場合。その周辺に自生している植物を将来的には駆逐してしまう可能性があります。
また知らずに毒性やアレルギーを引き起こしやすいものを植えてしまっては大変です。
背の高くなるものを植えたら交通の邪魔になるし、自然に還らないワイヤーやプラスチックの添景物が風に飛ばされればゴミになり、誤って動物が食べてしまっても大変です。
このような危険性を孕むことから、草花の知識をきちんと持った人でないと難しい行為なのです。
新たな庭のかたち
明治の開国以来、日本はグローバルスタンダードの道を駆け上がって来ました。
その中で利便性や利益を求めるあまり失ったものは数知れません。
日本人の「間」に対する意識も薄まり、どことない閉塞感が日常に付きまとっているように思えます。
都市では個人の庭においてもつくれる範囲が狭まり、草木が1株も植わっていない住居も当たり前になってきました。
このゲリラガーデニングはそんな時代だからこそ生まれたもの。
そんな意味で日本の庭の歴史を辿っていく上で「新たな庭のかたち」の1つと言ってもいいのではないかと思ったのです。
また、日本庭園には「見たて」「縮景」「借景」「枯山水」「坪庭」。
日本人には「をかし」「やつし」「わび」「さび」「かわいい」などの小さなものや不足なものに美を感じる心があることにも起因します。
以上、ゲリラガーデニングについてでした。
※あえていっておきますが、この記事は決してゲリラガーデニングを推奨するものではありません。
違法行為なので、絶対にしてはいけません。いいですか?絶対にです!絶対にだぞ!!!
決してこれが「粋」なことなんて思ってませんので!!決して!!!
記事・・・飛田亮