2016/01/09

自然界の不思議!六角形の謎に迫る!!

皆さん、お正月はゆっくり過ごせましたか?

私はスケジュール詰め詰めのドタバタした日々を過ごしていたため、あまり休んだ心地がしませんでした。

でもちょっと余裕ができた日に、滋賀県からほど近い福井県にある「東尋坊」に行ってきました。

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東尋坊の柱状節理

この断崖絶壁、本当にサスペンスドラマにでてきそうですね。

柱状に亀裂の入った奇岩といい、当たっては砕け散る波しぶきといい大迫力の眺望が広がっていました。

ここで私が気になったのが、五〜六角形に規則的に割れている岩の亀裂でした。

自然が生んだとは思えない程規則的な亀裂、これを「節理」と呼ぶそうです。

地底のマグマが冷えて固まるときに、自然と生じるもので、四角形や五角形もありますが六角形のものが最も多く見られるようです。

この柱状節理は世界各地に見られ、国内だと沖縄奥武島の畳石、宮崎県の高千穂峡、世界ではイギリスのジャイアンツ・コーズウェー、アメリカのデビルスタワー等々様々な場所に存在します。

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高千穂峡

それでは何故自然は適当な形ではなく六角形を選んだのでしょうか。

調べていくうちに、意外と身近には六角形をしたもので溢れていることに気づきました。

 雪の結晶

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Photo by LadyDragonflyCC <3 Canon~vs~Samsung

降ってくる雪をレンズで覗き込むと見えてくる素敵な世界。

小学校の理科の時間で初めて知ったときは衝撃的でした。

この雪の結晶は一つとして同じ形のものはありませんが、基本的には全て六角形なのだそうです。

作られる仕組みは科学的な内容でちょっと難しいのですが、空気中の水蒸気が冷やされて氷の粒ができ、平面方向に成長していく際「水素結合」が起こります。

このとき水分子に含まれる酸素の周囲に3つの水素が等間隔に120度の間隔で結びつくため、六角形の基本構造が構成されるとのことです。

要するに雪の結晶の六角形は、水分子同士の結合上のやむを得ない理由で作られているということです。

分子レベルで六角形が刻み込まれているんですね。

ちなみに雪の結晶が様々な形をしているのは大気の温度や湿度の影響によって形が変わるからです。

また花のようにも見えるので、昔の人々は結晶のことを「六花(りっか)」とも呼んでいました。

そういえば花の形は六角形とは限りませんが、どれも規則性をもったものばかりですよね。

実は私たちが思っているよりもずっと、自然界は規則的にできているのかもしれません。

 ハチの巣

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Photo by NJHphoto

六角形の小部屋の集合体。「ハニカム構造」として知られるハチの巣。

何故ハチは六角形の巣を作るのか。面白い動画があったのでご覧ください。


Why do honeybees love hexagons? - Zack Patterson and Andy Peterson

どうでした?ハチってすごいなあと感心してしまいますよね。

簡単にまとめると、最低限の蜜蝋でよりたくさんのハチミツを保管するために最も適した巣の形が六角形だったというわけです。

そしてこの六角形こそが、隙間なくギッシリ敷きつめることが可能な図形の中で、最も表面積が大きいということでしたね。

これを見つけ出したハチは本当にすごい!

 土星

どうやら自然界の六角形の謎は、地球を飛び抜け宇宙にまで発展しているようです。

それがこの土星の六角形です。

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丁度北極のところ・・・ありますね?これはまさしく六角形です!

なんとこの謎は近年解明されたそうで、原因は北極付近を流れるジェット気流にあるといわれています。

気流が六角形を作りだすなんてこともあるんですね。大変興味深いです。

輪っかも六角形も魅力的な土星にぜひ行ってみたいですね!

でも恐らくジェット気流にすっ飛ばされるのが関の山でしょうか・・・。

他にもシャボン玉を7つくっ付けると中央が六角形になったり、キリンの模様、亀の甲羅、トンボの羽、キッコウリュウという植物などにも六角形が見られます。

また、防音効果や防熱効果、軽くて強度もあり衝撃を吸収しやすい構造なので現代でも多方面に活用されています。

中でも炭素原子を六角形に結合すると、あらゆる原子結合の中で最も頑強になることも知られていて、それを利用した新素材「カーボンナノチューブ」が近年注目されています。

髪の毛の50万分の1の太さ、アルミよりも軽くダイヤの2倍の硬さ、鋼鉄の100倍以上の強度を持っているそうです。

 庭にもある六角形

実は庭にも六角形が見られるポイントがあるのですが、思いつきますか?

それはアプローチなどに見られる張り石です。

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石張りにつかう石は五〜六角形のものがいいと言われています。

その理由はデザイン的な問題と強度的な問題からです。

四角形や三角形の石を多用するとどうしても目地が直線に走ったり、十字にそろってしまう「いも目地」になりがちで、見た目があまり美しくありません。

そればかりではなく強度的にも弱く、強い衝撃によって石が外れてしまう場合もあります。

もちろん全て六角形ではつまらないので、程よく他の図形も混ぜていきます。

自然界における六角形の法則と庭づくりにおける張り石の六角形の関連性は、東尋坊を尋ねたときにふと気づきました。

あの柱状節理のように石を組めていけたなら、それは強固で美しいものに仕上がりそうです。

庭師はありとあらゆる自然を司る仕事なので、六角形を始め大自然に学び、日々成長できたらと思います。

そして今後も宇宙に散らばる六角形の謎を追い求めていきたいと思います!

記事・・・飛田亮

投稿者: GardenPorter

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