2016/03/08

石を知ればもっと庭が楽しくなる!全国各地の庭石に使われる名石をまとめてみました〜火成岩編その2〜

前回に引き続き、残りの火成岩の庭石を紹介していこうと思います。


 閃緑岩(せんりょくがん)の庭石

花崗岩と斑れい岩の中間の性質を持っています。

研磨すると黒く光り輝くことから、斑れい岩と同じく「黒御影」と呼ばれるものがあります。

 筑波石(つくばいし)
  • 産地・・・茨城県つくば市
  • 色・・・黒褐色
  • 主な用途・・・景石、飛び石、水鉢

石の表面に黒い突起物がついており、触るとザラザラすることからガマ石とも呼ばれます。

採取されたときは乳白色をしていますが、酸化による経年変化で黒味を増していきます。

 甲州鞍馬(こうしゅうくらま)
  • 産地・・・山梨県大和市
  • 色・・・鉄錆色
  • 主な用途・・・景石、飛び石、水鉢

京都で取れる鞍馬石に色味が似ていることから名付けられました。

錆が表面を多い、年月が経つにつれ渋く色が変化していきます。

 鞍馬石(くらまいし)
  • 産地・・・京都府京都市
  • 色・・・鉄錆色
  • 主な用途・・・景石、飛び石、沓脱石

表面が暗赤褐色に錆び、甲州鞍馬に対し本鞍馬と呼ばれます。

もうほとんど採掘されておらず、希少価値の高い庭石です。

  流紋岩(旧石英粗面岩)の庭石

花崗岩に対応する成分の火山岩で、黒曜石やパーライトに見られるようにガラス質で光沢があるものや、軽石なんかが流紋岩に分類されます。

庭園においては比重が小さいものが屋上庭園用に使われています。

 抗火石(こうかせき)
  • 産地・・・東京新島
  • 色・・・灰色
  • 主な用途・・・屋上庭園用景石

ガラス質で多孔質。スポンジのような石で、花崗岩の半分の重さで柔らかく簡単に加工ができます。

渋谷駅前のモヤイ像にも使われ、荷重がかかるのを防ぐため屋上庭園に使われます。

 玄武岩(げんぶがん)の庭石

深成岩の班れい岩に対応する石で、地球上に最も存在する石です。

色は灰〜黒色をしていて、兵庫県の玄武洞など六角形の柱状節理ができることが多いです。

 六方石(ろっぽうせき)
  • 産地・・・静岡県大仁町
  • 色・・・灰褐色
  • 主な用途・・・景石、延段、乱杭

伊豆六方石とも呼ばれ、溶岩が急激に冷えて固まるときに起こる節理という現象によってできる石です。

面白い形なのでオブジェとして使ったり、池の護岸に杭のように使ったりもします。

 安山岩の庭石

深成岩の閃緑岩に対応する石で、灰色〜暗色をしています。

硬質で耐火性があることから建築材や墓石としても使われます。

 鳴子石(なるこいし)
  • 産地・・・宮城県鳴子町
  • 色・・・暗褐色
  • 主な用途・・・景石、石積み

軽く多孔質で形のバリエーションに富むことから庭石に用いられます。

水を通すことから植木鉢やアクアリウムの石としても使われます。

 男鹿石(おがいし)
  • 産地・・・秋田県男鹿町
  • 色・・・淡灰褐色
  • 主な用途・・・景石、間地石

男鹿市の寒風山で取れることから別名寒風石と呼ばれます。

熱に強く堅牢な割に加工しやすいという特徴があります。

 鳥海石(ちょうかいせき)
  • 産地・・・山形県遊佐町
  • 色・・・淡灰褐色
  • 主な用途・・・景石、飛石

形のバリエーションに富み、稜線が通っているためよく景石に使われます。

苔が付きやすく、経年変化も楽しめます。

 白河石(しらかわいし)
  • 産地・・・福島県白河町
  • 色・・・灰白/灰黒
  • 主な用途・・・石塀、切り石、板石

含有物の構成比により白と黒の2色があります。

温かみのある色調と加工のしやすさから建築材として使われてきました。

 小松石(こまついし)
  • 産地・・・神奈川県真鶴町
  • 色・・・赤褐色
  • 主な用途・・・景石、飛び石

切り出された時は表面が酸化し赤褐色ですが、研磨すると緑がかった灰色の独特な風合いとなり、庵治石と並ぶ高級墓石として知られています。

真鶴町で取れるものを本小松と呼びます。

 根府川石(ねぶかわいし)
  • 産地・・・神奈川県小田原
  • 色・・・暗褐色
  • 主な用途・・・景石、板石

板状節理のため綺麗な板状に取れるのが特徴で、独特の飴色をしています。

硬度があり、表面はツルツルとしています。

 鉄平石(てっぺいせき)
  • 産地・・・長野県諏訪市
  • 色・・・青/赤色
  • 主な用途・・・敷石、石積み

発達した板状節理を剥離することで採石します。

庭園においては石張りや小端の石積みなどに使われます。

以上、閃緑岩と火山岩三種の紹介でした。

次回は変成岩についてまとめていきたいと思います。

記事・・・飛田亮

 

投稿者: 飛田

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