しばらくぶりの「庭師とめぐる〜」シリーズ。今回はなんと島めぐりです。
それというのも実は私、1週間ほどお休みをいただき新婚旅行もかねて海外で式を挙げてきました。
どこの国で挙げるか非常に悩みましたが、選んだのはモルディブという島国。
インド、スリランカの南西に位置するモルディブは、およそ1200もの小さな島々が環礁を形づくっている美しい国です。
モルディブとはサンスクリット語で「島々の花輪」という意味で、別名「インド洋の真珠のネックレス」とも呼ばれています。
そんな名前からして華やぎ溢れるモルディブは、まさにイメージ通りの南国の楽園でした。
今回はそこで見つけた植物たちを、旅行記っぽく庭師の目線で紹介していきます。
シンガポール・チャンギ国際空港での乗り継ぎ
日本からモルディブへは直行便が飛んでいないため、シンガポールのチャンギ国際空港で乗り継ぎすることに。
トランジットで入国するほどは時間が無かったため、空港内をうろうろしているとたくさんの植物たちに出会いました。
ユリやキクで装飾された貝のようなオブジェ。
大きなヤシかと思ったら、大きな木立性のシダ植物でした。
こんな大きいシダは日本ではなかなか見れないし、まさか空港にこんなものがあるとは思えなかったので大興奮でした。
小さな子どもも生えていて、渦巻き状のワラビがとってもキュートでした。
私的欲しい観葉植物ランキングNO.1のディジゴセカ。アラレアという名前でも流通しています。
ギザギザの葉っぱがスタイリッシュでかっこ良く、和の雰囲気にも似合うと思います。
インパクトのある葉っぱが特徴のビカクシダ。
近年、日本でも人気が出て園芸店でも流通しているそうです。
30品種ものランが楽しめるオーキッド・ガーデンもありました。
さすが東南アジアと言わんばかりの品ぞろえ。
これだけのランを空港で暇つぶしがてら楽しめるなんて贅沢ですね。
ニシキゴイが優雅に泳ぐ池もありました。
斑入りのシェフレラ。
シェフレラは日本では一応観葉植物として出回っていますが、比較的耐寒性があるため寒地でなければ地植えでもいける場合が多いです。
きっとシンガポールでは普通に町中に植わっているのでしょう。
あえて苦言を呈するとすればこの階段の石張りくらいでしょうか。
同じようなサイズの石ばかりを使っているせいか目地が揃いがちになっています。
かわいらしいテラリウム的なものもありました。
他にも無数の蝶が飛び交うバタフライガーデンなどもあり、本当にここは空港なのかと疑ってしまうほどの華やぎっぷりでした。
さて、いよいよモルディブに到着。空港は首都のマーレにあります。
空港を出るとすぐにプール・・・ではありません。港があります。
プールと見間違える程の鮮やかな青さ。まさかこれ程までとは思いませんでした。
モルディブには歩いて回れるほどの小さな島が丸ごとリゾートになっているものが多く、1200の島の内およそ100島がリゾート化されているといいます。
私が泊まったのはその中の一つ、ギリ ランカンフシというリゾートです。
マーレの町なかにもちらほらと花が咲いていました。
こちらはハナキリン。
マダガスカル原産のトウダイグサ科の低木です。
乾燥と暑さに強いため、厳しい環境にも耐える頑強な植物です。
トゲトゲの茎とは裏腹に可愛らしい花を咲かせます。
港からスピードボートに揺さぶられること20分程でリゾートに到着です。
モルディブといえば水上ヴィラ
一言にモルディブと言えども各々のリゾートによってその雰囲気はガラリと変わります。
このギリ ランカンフシでは環境を大切にするエコフレンドリー精神を何よりも大事にしているため、建築素材から食材まで天然のものばかりを使っています。
そのため水上ヴィラもラグジュアリーさを前面に押し出すものではなく、落ち着いた素朴な佇まいをしているのが特徴です。
内装も曲がりくねった野性味溢れる柱をそのまま使ったりしていて、どこか日本の草庵と同じような雰囲気を感じました。
ヴィラ前の桟橋に設置してある壺
このリゾートでは靴を履かない生活を推奨していて、行きのボートで「No Shoes No News」と書かれた袋に靴を没収されます。笑
ふわふわの白い砂浜を素足で歩くのはとても気持ちいいのですが、日中の桟橋を歩くときは結構足が熱いのです。
そんな時にこの水の溜まった壺を使う訳ですが、注目して欲しいのがこの柄杓。
日本で柄杓と言えばやはり竹を思い浮かべる方が多いと思いますが、ここでは木の枝とココナッツの殻を使っています。
他にもココナッツの殻を使ったアイテムがたくさんあって、地産地消といいますか、これにはとても感心させられました。
逆に日本に来た海外の方にとっては竹細工に同じ感動を覚えると思うので、もっと竹の世界をよく知りたい、そしてココナッツの殻で柄杓作りに挑戦したいと思いました。
あまりモルディブの植物を紹介できませんでしたが、後編ではちゃんと紹介していきますのでお楽しみに!
記事・・・飛田亮