2018/02/10

うさぎと廃墟の楽園、大久野島へ行ってきました。

大久野島は瀬戸内海に浮かぶ無人島で、広島県竹原市にあります。

別名「うさぎ島」や「毒ガス島」とも呼ばれる大久野島にはいったい何があるのか、その全貌を見ていきましょう。

大久野島へは竹原市の忠海港からフェリーで15分程で着きます。

島に上陸したとたん、たくさんのうさぎさんたちがお出迎え。

島内には700羽ものうさぎたちが生息しているといわれています。

大久野島にいるうさぎの種類はアナウサギ。

ヨーロッパや北アフリカに生息しており、この島にもともと住んでいたわけではありません。

夜行性ですが昼間でも活発に動きまわり、人が近づくと駆け寄ってきたり、エサをくれないとわかると諦めてまるまったりしています。

そんなうさぎたちの期待に応えるべく、たくさんの野菜を用意してきました。

うさぎさーん。ごはんだよー。

ダダダダダダッ・・・!

日向ぼっこしていたうさぎたちも、次々と駆け寄ってきます。

あっという間に阿鼻叫喚のうさぎすし詰め状態。

中には可愛らしい子ウサギの姿もありました。

しかしなぜこんなにウサギがいるのか。

諸説ありますが、1971年に島外の学校で飼育されていた数羽のウサギが島に放され、このような環境になったとされています。

なるほど、ここは確かにうさぎ好きにとっては堪らないうさぎの楽園ですね。

しかし、大久野島の魅力はそれだけではありません。

それは島内の至る所で見かける廃墟たち。

可愛らしいうさぎたちとはあまりにかけ離れた退廃的な廃墟の数々。

時代に取り残された遺物たちが語りだすのは、凄惨な戦争の歴史でした。

とまあ、それはさておき島をぐるっと散歩しましょう。

島は歩いて60分程で一周することができます。

瀬戸内の海と空、そしてうさぎに癒されながらの散歩は格別です。

アナウサギは地面を掘る習性があるので、樹木の根が掘られないようにと養生してあったのが印象的です。

散歩を初めて間もなく、大きな廃墟を見つけました。

ここは「長浦毒ガス貯蔵庫跡」。

戦時中、この場所に島内で作られた大量の毒ガスが保管されていました。

大久野島でつくられた毒ガスの総生産量は6,616トンにも及ぶといわれています。

国際条約により毒ガスの製造・使用は禁止されていたため、旧日本軍は秘密裏にこの大久野島で毒ガスをつくっていたのです。

戦後は連合軍の指示のもと、火炎放射器で焼却しました。

その黒い焦げ跡が生々しく今も残っています。

そんな毒ガス貯蔵庫を見ている間にも近寄ってくる黒い子ウサギたち。

なんともいえない気分になりますね。

少し山の中に入っていくと、また廃墟に出会います。

ここは「北部砲台跡」。

島に毒ガス工場が作られるより前に、大砲が置かれていた場所です。

毒ガス工場ができてからは、毒ガスタンク置き場として使われていました。

どんどん山を登っていきます。

登山道は階段になっており、シダをかき分けながら進みます。

平地ではあまり見ない植物たちもでてきました。

平行脈で赤く熟した実。恐らくナギでしょうがちょっと雰囲気が違うような。

ミモザの大木。

冬に赤い実が熟すノイバラ。

ヤシャブシの実。

山にもうさぎはいます。

ここは「中部砲台跡」。

山の中の廃墟は、とても雰囲気がありました。

一所懸命穴を掘るアナウサギ。

アナウサギは地面に穴を掘り、巣をつくって生活する習性があります。

少し覗かせてもらったところ、かなり深そうでびっくりしました。

この写真はホテル前の芝生広場ですが、うさぎが集まる場所なので穴ぼこだらけでした。

芝生を愛するご家庭では、絶対に放し飼いにしてはいけませんね。

山の頂上、ひょっこり展望台からの眺め。

小久野島や松島など、瀬戸内の島々が見渡せます。

下りは楽チン。瀬戸内海を眺めながら降りていきます。

いきなり繁みから出てくるので、ちょっとびっくりします。

ここも恐らくタンク置き場でしょう。

山から下りてきました。

なにやら向こうに気になるオブジェが。

4つ並んだうさぎ耳。

これは集音器で、耳を当てるとうさぎのように周りの音をよく聞くことができます。

360度回転するのですが、耳に当てながら回るとキキィーッという錆びた音に耳をつんざかれるので注意しましょう。

ここは旧桟橋。

今は使われていないようです。

ここは「発電所跡」。

大久野島の廃墟の中でも一、二を争う人気のある廃墟です。

蔓延るツタの感じや、外れてぶら下がった窓枠なんかも寂びた風情を醸し出しています。

 

以上、うさぎと廃墟の島、大久野島レポートでした。

うさぎと触れ合える楽し気な島という印象が強い大久野島ですが、悲しい歴史を背負い込んでいたのですね。

島内には毒ガスの恐ろしさを伝える毒ガス資料館があるので、島に訪れた際はぜひ足を運んでみることをおすすめします。

この可愛らしいうさぎたちが毒ガスの実験体として殺されていたこと、そしてこの大久野島でつくられた毒ガスが今もなお人々や環境を汚染し苦しめていることに驚くことと思います。

奇しくも同じ広島県内に負の世界遺産・広島原爆ドームがありますが、この大久野島こそ負の遺産として、旧日本軍が秘匿してきた事実を世界に知らせる責任が今の日本政府にはあると思いました。

少しでも情報を発信することで、今後毒の被害に会う可能性を減らせるのではないでしょうか。

とまあ、いろいろ考えてしまう大久野島でしたがやっぱりうさぎは可愛かった。

またいつか、うさぎたちと触れ合いに訪れたいです。

投稿者: 亮飛田

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