前回に引き続き、栗林公園をめぐっていきます。
早足で回ったのにも関わらず、皆さんに紹介したいところがたくさんの大ボリュームで整理が大変ですが、続きを書いていきますね。
↓前編はこちら↓
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栗林公園西端の石壁を経て道なりに進んでいくと、やたらとソテツが植えられている場所に出くわしました。
それも一本一本がかなりの大きさで迫力がすごいです。
ソテツといえば沖縄や九州の日本庭園によく植えられていますが、このソテツたちも琉球産のもののようです。
葉が鳳凰の尾のようなので「鳳尾䲧(ほうびう)」と呼ばれています。
樹齢は300年以上で、香川県の天然記念物に指定されています。
池泉は青く澄んでいて、鯉が泳いでいます。
池の底の丸石には苔が生え、モコモコした感じがおもしろいです。
この池泉の美しさも、栗林公園の魅力の一つですね。
沢渡りの飛び石。
結構表面がツルツルしているので、わりとスリルがあります。
実は私、栗林公園を訪れたのは2回目なのですが、以前土砂降りにクロックスでここを渡った時は滑って池に落ちかけました。(笑)
飛び石を渡ったところにある「掬月亭」。
ここでお抹茶を頂くことができますが、時間が無いので今回は断念。
きっと茶室から眺める庭も素晴らしいのでしょうね。
北側の庭は枯山水式となっており、周りを囲む竹垣は竜安寺垣です。
樹形の整ったツガの巨木。
栗林公園にはマツの他にもかっこいい樹でいっぱいです。
南湖越しに見る掬月亭。
ここでもマツの手入れをしていました。
絵になっていて滅茶苦茶かっこよかったです。
園内の大きな見どころの一つ。「根上がり五葉松」です。
徳川家から賜った盆栽の五葉松が成長した姿とのことですが、こんなに成長するものなんですね・・・。
盆栽は根に観賞価値があるといいますが、まさにこの五葉松は盆栽の視点からも観賞価値ありまくりな素晴らしい逸品でしょう。
南湖に浮かぶ島にはサツキツツジの刈り込みが。
この中に、ハート形に刈り込まれたツツジがあるのに皆さん気づきましたか?
これは剪定作業中に偶然できたもので、恋ツツジと呼ばれカップルに人気のようです。
こういう茶目っ気があるところもいいですね。
ここは個人的に栗林公園内で最もおすすめしたいスポットです。
見てください。この色鮮やかな藻の大群を。
場所は「吹上」という園内の池泉の水を賄う水源から流れる小川なのですが、川一面が鮮やかな緑で覆い尽くされいるのです。
この藻は水草アクアリウムなどでも良く使われる「リシア」という種で、プカプカ浮くことからウキゴケとも呼ばれます。
川底にはこぶし位の玉石がゴロゴロしているのですが、何故か赤みを帯びています。
その原因もやはり藻で、「ベニマダラ」という絶滅危惧種にも指定されている希少な種が自生するためです。
鮮やかな緑の藻とちらちら見え隠れする紅の藻が織りなす補色のコントラストは非常に美しい。
そんな藻のパラダイスと化している小川ですが、藻がこんなにも自生しているのは園内でここだけなんです。
それはなぜか。答えは吹上にありました。
こちらが吹上。園内で唯一の湧水池です。
地中深くから伏流水が湧き出し、なんと400年間枯れたことがないのだとか。
そして水温は18度。一年中18度の水が湧き出し、流れていきます。
この環境が藻の生育には相性が良く、冬でも枯れることなく藻が生育できるのです。
ただし定期的に園内の清掃活動でリシアが除去されてしまうことがあるようなので、訪れる際はご注意を。
しかしこの石、アザラシに見えるのは私だけでしょうか・・・。
吹き上げを過ぎ、園内随一の眺望を誇る飛来峰へと登っていきます。
途中の階段、大木の根が這っています。こういうのツボです。
こちらが飛来峰からの眺めです。
雄大な紫雲山を背景に、掬月亭や園内にある14の橋の中で最も大きい偃月橋が目下に広がり、雅趣に富んだスペクタクルを堪能できます。
飛来峰を降りたら、入り口の東門まで一直線ですが少しだけ寄り道して帰ります。
物凄い枝ぶりのマツ。
夫婦松。
左はアカマツなので女松。右はクロマツなので男松。
このクロマツ、かなり尻に敷かれてそうですね・・・。
こちらは梅林橋。別名「赤橋」と呼ばれています。
園内唯一の朱塗りの橋で、緑の中の差し色として景を引き締める効果があります。
さあ、東門まで戻ってきました。
最後はマツはマツでもヒマラヤスギでしめたいと思います。
実はヒマラヤスギはスギではなく、マツの仲間だってご存知でしたか?
葉っぱを見るとマツのようなチクチクした葉なのですぐわかると思います。
しかしなんとまあ巨大なヒマラヤスギ。かなりの迫力です。
栗林公園はなにからなにまでスケールの大きい、見どころ満載の日本庭園でした。
以上、早足でしたが栗林公園を紹介してきました。
そのスケールと迫力に驚かされるおすすめの庭なので、ぜひ機会があれば行ってみてくださいね。
記事・・・飛田亮